トラガールとは?
トラガールとは2014年9月に国土交通省による女性のトラックドライバーを増やすためのプロジェクトから生まれた言葉です。
一言でいってしまえば「女性のトラック運転手」ということですが、これでは泥臭い印象で若い女性からの注目を集められないということで「トラガール(truckgirlの略)」が採用されたのだと思います。
正式なプロジェクト名は「トラガール促進プロジェクト」で、プロジェクト用のホームページも作成されました。
※デイリースポーツ公認の野球球団の阪神応援ユニットの「虎ガール(トラガール)」とは全く関係がありません
- トラガール促進プロジェクトホームページURL
http://www.mlit.go.jp/jidosha/tragirl/
国土交通省「トラガール促進プロジェクト」HP画像
募集の背景には女性の活躍に対する期待とトラックドライバー不足が
トラックドライバーは巨大な大型車を運転するだけでなく、重い荷物を長時間かけて遠距離まで運ぶことから、これまでは男性の仕事というイメージが強い職業でした。
しかし、
- 男性トラック運転手の高齢化
- Amazonや楽天などのネット通販などによるECサイト経由の商品販売量増加による商品流通量の増加
- 配送商品に増加によるトラック運転手不足
- 労働力が建築・土木作業員に移行しているこって生じるトラック業界の人手不足
このような構造的な問題により、物流業界自体が深刻な人手不足に陥っています。
このまま人手不足が続くと、
- ドライバーにかかる負荷が増大して交通事故が起きやすくなる
- Amazonや楽天で購入した商品がこれまでより遅く届くことになる
- 郵送・配達料金の値上げ
など、ドライバーだけでなく配送先である消費者にとってもネガティブなことが起きやすくなります。
物流業界もこの現状を深刻に捉えていて、ドローンと呼ばれるロボットによる配送なども研究しているようですが、技術的な問題と法律的な問題がクリアされるのは数年以上先のことです。
直近の問題である慢性的な人手不足を解決する救世主として女性運転手の活躍が求められています。
ただモノを運ぶだけでなく、
- 女性ならでは気配り
- お年寄りや配送先の女性への対応
など男性ドライバーには難しい部分での活躍も期待されています。
政府も「一億総活躍社会」の実現に向けて動いていますので、今後はさらに女性のドライバーは注目されそうです。
女性運転手として活躍できるシチュエーションの例
女性ドライバーとして活躍できる場所の例を挙げます。
もちろんここで挙げた以外にも無数にありますので、あくまでも参考程度に留めておいてください。
- 引越し荷物の搬送
- Amazonなどで購入された本や小物など個人向け郵送商品の配送
- コンビニに食品を搬送
- 大型機械を工場に搬送
女性のトラック運転手になるには
トラック等の貨物車両の運転手になるにはそれぞれの運転免許が必要です。
簡単に必要な資格と条件、資格があればなれる職業をまとめました。
- 普通免許(18歳以上から取得可能):小型トラックドライバーになれる
- 中型車免許(普通免許取得から2年以上で取得可能):中型トラックドライバーになれる
- 大型車免許(普通免許取得から3年以上で取得可能):大型トラックドライバーになれる
- 牽引免許(大型、中型、普通、大型特殊のどれかを持っていることが必要):(大型を持っていれば)トレーラーなどの大型貨物用車両のドライバーになれる
下に行けば行くほど本格的な資格になり、車両が大きくなります。
その分給料も増える傾向にあります。
国土交通省が「トラガール促進プロジェクト」で就職・求人を支援
「トラガール促進プロジェクト」はただ女性に対してトラックドライバーの仕事をおすすめするだけでなく、
- 運送道中のトイレ使用の許可
- 荷物を積むときの作業の省力化
- 長距離運転の場合は2人以上の運転手で運転の負担を分散する
などの女性運転手が仕事をしやすい環境を用意してくれる企業を紹介してくれます。
日本各地で物流事業社と提携した採用イベントを開催していますので、興味がある女性は是非イベントに参加してください。
イベントの情報はトラガール促進プロジェクトHPから確認できます。
トラガールの給料
気になるトラガールの給料ですが、これは、
- 採用してくれる会社
- 雇用形態(正社員・派遣・契約社員・アルバイト)
- 保有している免許
- 免許によって分かれる仕事内容
などによってバラバラですので、安易に「トラガールになれば500万円以上」などと断言することはできません。
トラック運転手の平均給料が400万円強だと言われていますので、恐らく男性ドライバーの給料は300万円〜550万円くらいの間で大半が分布しているはずです。
体力的な差により男性ドライバーより女性ドライバーが優遇される可能性は低く(事業者に国から助成金や奨励金等が出ますので0%ではないと思います)、おそらく250万円〜400万円くらいの幅で推移するのではないかと思います。
ただし、繰り返しになりますが、
- 保有免許
- 勤務できる日数・時間
などによってバラバラです。
あまり先入観を抱かない方が良いでしょう。
しかし、国土交通省の指導等によって女性ドライバーの求人数が増えれば環境が改善されるだけでなく給料の面でも向上が期待できます。
短期的な視野で条件等を見るのではなく、長期的に考えた方が良さそうです。